食べ終わったそばの器をセルフサービスの返却口に返し、手元にある残りの写真をめくりながらAさんに聞き忘れたことはなかったか、頭の中の整理作業に入っていました。
と、手元の写真をめくるうち、これが目に留まりました。
それは、この長い連載の検証作業を行う過程でネットから頂いてきた、ここ大観山レストハウスの衛星写真でした。
(そういえば…)
この写真を眺めながら、考えました。
(ついさっきAさんに「ここだよ」と言われるまで、条件に合う場所が見つけられないで「ない、ない」と探しまわることになってしまっていたのだっけな…。)
この写真を眺めながら、考えました。
(ついさっきAさんに「ここだよ」と言われるまで、条件に合う場所が見つけられないで「ない、ない」と探しまわることになってしまっていたのだっけな…。)
今日一日、Aさんから当時のいろいろな出来事を教えて頂くうち、当初考えていた「現場は、芦ノ湖から大観山レストハウスまでに至る坂道のどこだったのか?」という、Aさんに証言を頂くために用意した推理は、ものの見事にひっくり返ってしまっていました。
そして、それがこれまで検証を重ねて来た現場の状況と合致するものなのか否かを検証する時間もないまま、所与のものとなってその後に伺うお話は進んでしまっていたのです。
そして、それがこれまで検証を重ねて来た現場の状況と合致するものなのか否かを検証する時間もないまま、所与のものとなってその後に伺うお話は進んでしまっていたのです。
(もうここまで来れば、『現場がここだった』という事実が覆ることはないのだろうが…。)
そう思いながら、改めてこれまで調べを進めて来た結果導き出された「事故の起こった状況」と照らし合わせ、その状況とこの現場が符合するのか、頭の中でイメージし直してみたのです。
そう思いながら、改めてこれまで調べを進めて来た結果導き出された「事故の起こった状況」と照らし合わせ、その状況とこの現場が符合するのか、頭の中でイメージし直してみたのです。
推理のスタートになったのは、事故直後に撮影されたと思われるこの写真です。
弟の言う「あの写真が事故直後に撮影されたものとは限らない」という説に屈する腹が決まるまで、私が思い描いていた「現場を特定する条件」は以下の通りでした。
<条件1>
「事故が起こったのは、椿ラインの右コーナーだった」
<条件2>
「現在の大観山レストハウスの付近がレースシーンのゴール地点になっていて、事故はゴール地点で待機している撮影隊の目の前で起こった」
<条件3>
「事故の起こった坂道は、東から西に登る坂道だった」
<条件4>
「スピードクラブのライダーたちは坂道を下から上に登っていたところ、上から坂道を下って突然表れたトラックと遭遇した」
<条件5>
「事故の起こった道は、元箱根側から見て右手は石垣、左手は芦ノ湖を望む崖の連なりになっていた」
<条件6>
「レースシーンのスタート地点は、現在の大観山レストハウスから目視できる位置にあった」
「事故が起こったのは、椿ラインの右コーナーだった」
<条件2>
「現在の大観山レストハウスの付近がレースシーンのゴール地点になっていて、事故はゴール地点で待機している撮影隊の目の前で起こった」
<条件3>
「事故の起こった坂道は、東から西に登る坂道だった」
<条件4>
「スピードクラブのライダーたちは坂道を下から上に登っていたところ、上から坂道を下って突然表れたトラックと遭遇した」
<条件5>
「事故の起こった道は、元箱根側から見て右手は石垣、左手は芦ノ湖を望む崖の連なりになっていた」
<条件6>
「レースシーンのスタート地点は、現在の大観山レストハウスから目視できる位置にあった」
この6つある条件のうち、私が最も強くこだわり、その結果、他の「推測される状況」との矛盾に頭を悩ませる事になったのは<条件3>、「事故の起こった坂道は、東から西に登る坂道だった」という点でした。
過去記事箱根への小旅行(23)から始まる検証の結果、「事故の起こった現場はほぼ東西に道路が走り、かつ、東から西に登る坂道になっていた」という推理を私は導き出していました。
が、この推理を芦ノ湖から大観山に至る坂道に当てはめて検証してみたところ、その条件を満たすカーブというのは、芦ノ湖~大観山の登り坂にはほとんどありません。
再三に亘る現地訪問など長い検証を経た結果、「条件に当てはまる場所はない」という結論を導くに至り、最終的に「事故は大観山レストハウス手前の最終右コーナー」で起こったもので、「事故現場の写真は、後日行われた現場検証の際に撮影されたものだった」とする弟の説に屈する腹を決めることになった、という訳です。
が、この推理を芦ノ湖から大観山に至る坂道に当てはめて検証してみたところ、その条件を満たすカーブというのは、芦ノ湖~大観山の登り坂にはほとんどありません。
再三に亘る現地訪問など長い検証を経た結果、「条件に当てはまる場所はない」という結論を導くに至り、最終的に「事故は大観山レストハウス手前の最終右コーナー」で起こったもので、「事故現場の写真は、後日行われた現場検証の際に撮影されたものだった」とする弟の説に屈する腹を決めることになった、という訳です。
ところが、実際に現場を訪れてその真相が明らかになってみると、その推理の大前提になっていた「レースコースは大観山の芦ノ湖側の坂道にセットされていた」という条件が誤っていたことが分かりました。
(…ならば、その明らかになった事故現場に、もう一度あの事故直後と思われる現場写真を当てはめてみたらどうなるのだろうか?)
そう私は思い、手にしたレストハウスの衛星写真を見つめながら、改めて頭の中で情景をイメージし直してみたのです。